【福岡】“龍の都”志賀海神社へ — 金印の島・志賀島に鎮座する海神の総本社
海の中道を走って、金印の島へ
今回訪れたのは、福岡市東区の志賀島(しかのしま)に鎮座する志賀海神社(しかうみじんじゃ)です。福岡市内から車で30〜40分。玄界灘と博多湾に挟まれた「海の中道」——名前のとおり、海の真ん中を貫く砂州の道——を走り抜けて島へ渡る、そのドライブからしてすでに気持ちのいい道のりです。
志賀島といえば、歴史の教科書でおなじみ、国宝の金印「漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)」が発見された島。島の外周は車で20分ほどとコンパクトなので、参拝と合わせて一周するのがおすすめです。
参拝の前に「お潮井」で身を清める
志賀海神社の参拝には、独特の作法があります。入口に置かれている「お潮井(おしおい)」——清めの砂です。この砂を、左、右、左の順に肩へ軽く振りかけて、身についた穢れを祓ってから神様に会いに行きます。
砂で身を清めるという体験は、他の神社ではなかなかできません。海辺の神社らしい、潮と砂の清めの文化。この一手間があるだけで、鳥居をくぐる前から気持ちが引き締まります。
海神の総本社にして「龍の都」
志賀海神社は、全国の海神社・綿津見(わたつみ)神社の総本社とされる、海の神様の大元締めです。祀られているのは綿津見三神——海の底の神様(底津綿津見神)、海の中の神様(仲津綿津見神)、海の上の神様(表津綿津見神)。海というものをまるごと三柱で司る、スケールの大きなご祭神です。
そしてこの神社には、もうひとつの顔があります。その名も「龍の都」。綿津見の神様は姿を現すとき、龍の姿をとると伝えられており、全国の龍神が集まる場所ともいわれているのです。境内に立つと、目の前に海が広がり、潮風が抜けていく——龍の都という呼び名がすっと腑に落ちる、突き抜けるような空気の場所でした。
ご利益は「人生の船出」— 挑戦する人の神様
もともとは、船乗りたちが出港の前に「無事に戻ってこられますように」と祈った、海上安全・航海安全の神社です。それが現代では意味が広がり、「人生の道しるべ」「新しい挑戦に漕ぎ出して、無事に成し遂げて戻ってくる」ことを祈る神社として信仰されています。
転職、開業、受験、新生活——何かの「船出」を控えている人にはぴったりの神社です。また、お潮井の清めに象徴されるように、身についた災いや良くない気を祓ってくれる厄除けの側面もあります。心にわだかまりを抱えている時期に訪れると、海風と一緒に何かを流してくれる、そんな場所です。
神功皇后ゆかりの「亀石」と、遥拝所からの海
境内には「亀石」と呼ばれる石があります。香椎宮の記事にも登場した神功皇后が、海を渡る戦いの前にここで祈願し、無事に戻ってこられたという伝承にゆかりのある石です。航海の無事、ひいては「行って、成し遂げて、帰ってくる」ことの象徴として、今もお参りする人が絶えません。
本殿への参拝を終えたら、境内の遥拝所(ようはいしょ)へもぜひ。目の前に玄界灘が一望でき、海の神様の神社であることを景色そのものが教えてくれます。ちなみに拝殿前の狛犬は、どっしりと横に構えた貫禄のある姿。神社ごとに狛犬の顔つきや体つきが違うのも、神社巡りの楽しみのひとつです。
帰りは金印スポットめぐり — まとめ
参拝の後は、せっかくなので金印の島を満喫しましょう。島には金印発見の地を記念した金印公園があり、レプリカの展示も見られます。そして島の名物といえば「金印ドッグ」。ドライブの小腹満たしにちょうどいい、志賀島名物のホットドッグです。
海の中道のドライブ、砂で身を清める参拝、龍の都の空気、そして金印の歴史散歩。志賀島は半日でぎゅっと楽しめる、福岡市内から一番近い「島旅」です。新しい挑戦を控えた人生の船出のとき、海の神様に背中を押してもらいに訪ねてみてください。
アクセス・基本情報
- 名称
- 志賀海神社
- 住所
- 福岡県福岡市東区志賀島877
- アクセス
- 福岡市内から車で約30〜40分(海の中道経由)。公共交通は博多ふ頭から市営渡船で志賀島渡船場まで約30分、渡船場から徒歩約10分。JR香椎線「西戸崎駅」からバスも利用可。
- 駐車場
- あり(無料)
- 時間
- 境内参拝自由(お守り授与所は日中のみ)
- 料金
- 参拝無料