【福岡】博多の総鎮守・櫛田神社を地元ガイドと歩く — 楼門の恵方盤、山笠、樹齢千年の「櫛田のぎなん」
博多の総鎮守「お櫛田さん」へ
今回訪れたのは、福岡市博多区の櫛田神社。地元では「お櫛田さん」の愛称で親しまれる、博多の総鎮守です。今回は、地元の歴史に詳しいガイドの方に案内していただきながら、じっくり境内を巡ってきました。
お祀りされているのは、大幡主命(おおはたぬしのみこと)・天照皇大神(あまてらすおおみかみ)・素戔嗚尊(すさのおのみこと)の三柱。博多の街のど真ん中、キャナルシティ博多のすぐそばという立地で、近年はアジアからの観光客にも大人気。博多の暮らしと信仰が今も息づいている神社です。
楼門をくぐる前に、天井を見上げて — 干支恵方盤
立派な楼門をくぐるとき、ぜひ足を止めて天井を見上げてください。そこにあるのは「干支恵方盤(えとえほうばん)」。円盤に十二支が刻まれていて、矢印がその年の恵方(縁起の良い方角)を指しています。毎年大晦日に、新しい年の恵方へ回されるのだそうです。
恵方巻きでおなじみの「恵方」を、一年中確かめられる場所はなかなかありません。知らずに通り過ぎる人も多いので、ここを知っているだけで参拝がひとつ楽しくなります。
博多祇園山笠の神社 — 「ふんどし」と言ってはいけない
櫛田神社といえば、7月の博多祇園山笠。「祇園」と聞いてピンと来た方、鋭いです。京都の祇園祭が行われるのは八坂神社で、祀られているのは素戔嗚尊。櫛田神社にも同じ素戔嗚尊が祀られており、山笠は同じ祇園信仰につながるお祭りなのです。クライマックスの「追い山」では、男たちが舁き山を担いで博多の街を疾走します。
ここでガイドの方から大事な豆知識。山笠の男衆が身につけるあの装束、「ふんどし」と呼ぶと怒られます。正しくは「締め込み」。博多の人の前では間違えないようにしましょう。
そして山笠期間でなくても、境内には豪華絢爛な「飾り山笠」が常設展示されています。高さ十数メートルの迫力を一年中間近で見られるのは櫛田神社ならでは。祭りの熱気を支える人を育て、伝統を残していくことの大変さと尊さも、ガイドの方は熱く語ってくださいました。
力石と、不老長寿の「霊泉鶴の井戸」
境内には、歴代の力士たちが奉納した「力石(ちからいし)」が並んでいます。名だたる力士の名前が刻まれた石に混じって、実際に持ち上げて力試しができる石も置かれています。持ち上げた姿はぜひ記念撮影を——なかなか映えますよ。
また、本殿のそばには「霊泉鶴の井戸」があります。不老長寿の霊水として知られてきた井戸で、鶴の飾りが目印。飲用できるかどうかは時期によって異なるので、現地の案内に従ってください。
境内は神様の団地?個性豊かな末社めぐり
櫛田神社の境内には、たくさんの末社が並んでいます。ガイドの方の解説つきで巡ると、これが実に面白いのです。
まず赤い鳥居が連なる稲荷神社。稲荷は日本で一番数が多い神社で、名前の由来は「稲生り(いねなり)」、つまり五穀豊穣の神様。そこから転じて商売繁盛の神様として全国に広まりました。ところで、お稲荷さんはなぜ赤いのか。あの赤い塗料はもともと防腐剤の役割で、塗り続けるにはお金がかかります。つまり「いつも鮮やかな赤」を保っていること自体が、商売繁盛の証でもあるのだとか。
お酒の神様・松尾さま、山の神様・大山祇(おおやまづみ)さま、そして恵比須さま。ここでガイドの方から面白い話を聞きました。恵比須さまと同一視される事代主命(ことしろぬしのみこと)は、大国主命(だいこく様と同一視される神様)の子。つまり、商売繁盛でおなじみの「えびす・だいこく」コンビは、日本神話でいえば親子なのだそうです。ちなみに七福神のうち、日本生まれの神様は恵比須さまただ一柱だけ、というのも初耳でした。
一角には「白龍権現社」も。「権現」という名前やろうそくのお供えは、神社とお寺がひとつだった神仏習合の時代の名残だそうです。ひとつの境内でこれだけ多彩な神様にお参りできる、まさに神様の団地のような神社です。
街なかで千年 — 御神木「櫛田のぎなん」
最後に、境内の大銀杏「櫛田のぎなん」。樹齢はなんと千年前後と伝わります。山奥ならともかく、戦乱も大火も再開発もくぐり抜けて、博多の街のど真ん中で千年生き延びた木です。「切るか、残すか」——幾多の時代の選択を乗り越えて立ち続けている姿を思うと、しみじみと胸に迫るものがあります。
博多駅からも天神からもアクセスしやすく、キャナルシティ博多や川端通商店街と合わせて楽しめる立地です。博多観光の始まりに、まず総鎮守のお櫛田さんへご挨拶——博多の街の「原点」に触れられる、そんな参拝になりました。
アクセス・基本情報
- 名称
- 櫛田神社
- 住所
- 福岡県福岡市博多区上川端町1-41
- アクセス
- 地下鉄七隈線「櫛田神社前」駅から徒歩約2分。地下鉄空港線「祇園」駅から徒歩約5分。キャナルシティ博多や川端通商店街のすぐそば。
- 駐車場
- あり(台数に限りあり。周辺のコインパーキング利用が無難)
- 時間
- 境内参拝自由(社務所・お守り授与所は9:00〜17:00頃)
- 料金
- 参拝無料